知財情報:外国商標 マドプロ加盟国ってどこ?

海外への商標出願を検討される際に、最近はご相談前にインターネット等を使って調べて来られることが多いので、まず検討するのは、前回のブログで触れたとおり、マドプロでいくのか、直接出願とするのか、、、2つの出願ルートのどちらを選択するかだと思います。
見積りで比較すると、マドプロの場合、登録料という概念がない分、コスト的にはメリットがある場合が多いです。が、中国やアメリカなど、出願時が代理人に依頼した方が、メリットがあるといえる国がありますので、初期コストのみを比較してルートを決定されるのは注意が必要です。欧州や北欧、アフリカ諸国は「マドプロ」、東南アジア、米、中は「ダイレクト(直接出願)」等、切り分けて検討するのもひとつの策といえます。
問い合わせの多い国でマドプロに加盟して「いない」国は以下のとおりです。
マドプロ非加盟国
・台湾
・タイ
・香港
・マカオ
・インドネシア
・マレーシア
・ミャンマー
・カナダ
です。香港、マレーシア、インドネシア、カナダあたりは、加盟してそうなのですが・・・
問い合わせの多い国でマドプロ出願可能な国は以下のとおりです。
マドプロ加盟国
・中国
・アメリカ
・欧州
・韓国
・ベトナム
・シンガポール
・フィリピン
・インド
・カンボジア
・ラオス
・アゼルバイジャン
・スウェーデン
・ノルウェー
・フィンランド
・ロシア
・フランス
・イタリア
・ギリシャ
・オランダなど
マドプロ加盟国の最新情報は、特許庁HPで確認できます。
2017年3月14日時点で98か国です。
https://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/tetuzuki/t_shouhyou/kokusai/madopro_kamei.htm
ダイレクトルートかマドプロルートか・・・選択は難しいように思われるかもしれませんが、事業内容や出願希望国をお聞きすれば、おのずと決まってくるケースが多いので、あまり悩まず、海外進出が決まったら、まずはご相談いただければと思います。
(2017年7月28日 弁理士 沖本周子)

知財情報:外国商標 出願ルート

外国での商標権取得を検討するとき、大きく2つの出願ルートがあります。出願する国、国数、指定商品・役務の内容、日本での登録有無等、から最適な出願ルートを検討します。
以下、ご参考まで!
1.ダイレクトルート(直接出願)
各国に各国の言語で出願する方法です。
【メリット】
 ○現地の法制度に詳しい現地代理人を介して手続きができる。
  ・権利範囲となる指定商品・役務の選定が安心。
 ○登録後の期限管理を現地代理人にまかせることができる。
  ・更新はもちろん、使用証明の提出が求められる国については現地代理人が期限管理してくれる。
 ○インターネットで出願前調査がしにくい国については、現地代理人による調査アドバイスがもらいやすい。
 ○日本での登録が必須ではない。
【デメリット】
 ○複数の国に一括で手続きすることができない。
 ○複数の国に出願したい場合、費用がかさむ。
 ○国によっては審査に時間がかかる国がある。
2.マドプロルート
「マドリッド協定議定書」に基づき、複数国に一括して手続きを行う方法です。
【メリット】
 ○英語で一式願書を作成すれば、複数の国に一括で手続きできる。
 ○複数の国に出願したい場合には、費用を抑えることができる。
【デメリット】
 ○日本での出願・登録がなければ手続きできない。
 ○日本での出願・登録した内容にしばられてしまう。
  ・商標が同一でないといけない。
  ・出願人(名義人)が同一でないといけない。指定商品・役務より広い範囲での権利化ができない。
 ○現地代理人を介さず手続きができてしまうので、出願する国の法制度に即したアドバイスをうけることができない。
次回はどんな国がマドプロに加盟しているのか、、、
ご説明したいと思います。
(2017年7月19日 弁理士 沖本周子)

知財情報:よくある質問(外国商標編)

海外進出するなら、商標権を取得した方がいいよ。と聞いたことはあるけれど、
なんかめんどくさそうだし、ピンのこないな・・・という方へ。
よくいただく質問をまとめみました。ご参考になれば、幸いです。
よくある質問(必要書類・権利になるまでの期間など)
Q はじめて外国へ商標出願をします。
必要書類はなんですか?身分証明等、用意する書類はありますか?
現地の言葉ができなくても大丈夫でしょうか?
A 出願の際に必要な書類も出願しようとする国によって異なりますが、共通して必要なものとして、商標の「ロゴ」データが挙げられます。出願したい商標がデザインされた「ロゴ」である場合は、データを送信ください。GIF、JIPG等加工しやすいデータがよいです。画データが粗いと、出願後に公報等に掲載される際、ぼんやりとしたロゴが掲載されることになりますので、注意が必要です。出願したい商標が、文字商標のみ(特定のフォントでない)でしたら、ご用意不要です。出願したい商標をおしえてください。
その他の主な必要書類としては、手続きを現地の代理人に委任する委任状、優先権主張をする場合は優先権証明書が挙げられます。
委任状が必要な場合は、委任状のフォームは、こちらで準備いたしますので、お客様が作成いただく必要はありません。委任状に法人の場合は代表者様、個人の場合は氏名をサインしていただければOKです。
委任状が必要な主な国は以下のとおりです。
中国、台湾、韓国、マレーシア(宣誓書につき公証が必要)、フィリピン、インドネシア、ベトナム、タイ(公証も必要)、ロシア、インド、ブラジル
委任状が不要な主な国は以下のとおりです。
米国、欧州共同体、香港
中国への出願の場合は、個人:パスポート写し、法人:登記簿謄本の提出が求められます。
進出予定の国の言葉ができなくても、大丈夫!そのためにわれわれ代理人がいるのです。
Q出願してから権利になるまでどのくらいかかるのですか?
A 出願から権利になるまでの期間も国によってまちまちですし、拒絶理由通知(オフィスアクション)を受けるか受けないかでも異なります。
以下、あくまで目安にしていただければと思います。
中国:1年~1年半。ただし法改正があり今後早くなる見込み
米国、台湾:6ヶ月~1年半
欧州共同体:絶対的理由しか審査されませんので、1ヶ月程度で審査結果がでます。
フィリピン:これまで1年以上はかかる国でしたが、先日出願した案件は、3週間で登録になりました!
ブラジル、インド、タイ:1年半以上かかります。
ちなみに日本は4か月~6ヶ月です。
Q 外国の商標権の権利期間はどのくらいですか?また更新からでも依頼できますか?
A 外国の商標権の権利期間は10年の国がほとんどです。が、権利期間の始まりは、出願日から10年とする国と、登録日から10年とする国があります。
Q 調査をお願いしたら費用はどのくらいかかりますか?
Aはい、無料データベースを使って同一商標の有無を調べる調査を行います。1商標1区分につき、弊所では1万円~です。類似・非類似の調査になりますと、やはり各国毎に判断が異なってきますので、現地代理人に依頼することになります。この場合は、1商標1区分につき、4万円~10万円くらいかかります。
(2017年6月15日 弁理士 沖本周子) 

知財情報:展示会・商談会「その前に」・・・

国際的展示会に出展が決まった!さぁ行くぞ!
と「その前に」・・・商標ブローカー対策としてやはり調査・出願・権利化を検討されることをおすすめいたします。
展示会・商談会で配布したカタログ、クライアントさんになるかもしれないとお相手と交わした名刺。バンバン配ったカタログや名刺、、、これらに付されたロゴ、商標が狙われるかもしれません。
また商談では、自社の技術情報をアピールされる場面もあるでしょう。技術情報をわかりやすく丁寧に、わが社のすごさをアピールして契約につなげるぞ!
ちょっと待って!それで技術情報を流出することになりませんか?
なんでもかんでもオープンにさらけだしてはいけません。
展示会・商談会で展示したサンプル、商品説明の動画映像がきっかけで模倣品が出回ってしまうケースがあります。
展示会・商談会では、開示してよい情報、開示しない情報の整理区別をし、情報管理をきっちりとされることをおすすめいたします。
また自社にとって新しい技術でないから、特許出願できないと思っているような技術でも進出予定国で実用新案権(無審査で登録)を取得されてしまうケースもありますから、要注意です。
(2017年5月25日 弁理士 沖本周子)

え?!色を商標登録できるってホント?

きょうは国内商標のお話。
平成27年4月より特許庁では従来の文字や図形の商標に加えて、音、動き、色彩のみからなる商標等、新しいタイプの商標の出願受付を始めました。そして今年2月28日付で色彩のみからなる商標について、下記の2件が日本ではじめて登録になりました。
「えっ!色を商標登録できるの?」とお感じになる方もいるかもしれませんが、これ、そう簡単な話ではありません。下記の色の配色をみて、すぐどこの会社のなんの色彩を示しているか、ピンときますよね?
トンボ鉛筆さんの消しゴムやセブンイレブンさんのように誰がみても、「あ、あそこのあれだな」とわかっちゃうような『識別力』が必要なのです。
ですから単に「赤色」では登録できません。が、ティファニー社のティファニーブルー(米国では登録済み)のようにピンとくる色なら単色で登録できそうです。きょう調査した限りではクリスチャンルブタンの靴底の赤が出願中であったり、三井住友銀行さんのグリーンの配色なんかも出願中です。このあたりは登録になりそうですが、現在出願中の約400件の中には「ん?」というものも結構あり、興味深いです。
(2017年5月17日 弁理士 沖本周子)

以下、経済産業省・ニュースリリース;平成29年3月1日公表・関連資料を引用。